血尿・尿潜血とは
通常、血液が尿に混じったものを血尿といいますが、尿が赤く見た目で血尿と分かるものを「肉眼的血尿」と呼び、肉眼では分からず顕微鏡を用いた検査によって血尿と判断されるものを「顕微鏡的血尿または尿潜血」と呼びます。
肉眼的血尿や尿潜血が生じる原因は一つではありません。しかし、泌尿器系の重大な疾患が隠されていることがよくあります。尿を作る腎臓、尿を一時的に溜める膀胱、それらをつなぐ尿管や尿道に何らかの病的状態が生じると、血尿などが生じやすくなります。例えば、膀胱癌の8割以上は肉眼的血尿を契機として発見されます。肉眼で見えない顕微鏡的潜血でも、がんなどの重要な病気が潜んでいることが少なくありません。
血尿が見られた場合はもちろんのこと、健康診断や人間ドックで尿潜血を指摘された方は、お早めに泌尿器科を受診するようにして下さい。
血尿の原因疾患
- 泌尿器系(腎臓、尿管、膀胱、尿道、前立腺)の良性腫瘍・悪性腫瘍
- 腎臓や尿管などに生じる結石
- 尿路の炎症(膀胱炎、腎盂炎、尿路感染症)
- 腎臓疾患(慢性糸球体腎炎、突発性腎出血)
- 血尿の原因を調べる検査
- 尿の色調の観察、尿中赤血球数の算定、赤血球円柱や顆粒円柱の有無を確認します。また、尿細胞診検査を行い腫瘍細胞の有無を確認します。