過活動膀胱(OAB)とは
過活動膀胱は、尿意切迫感(尿意を突然感じて、我慢できなくなる)とそれによって引き起こされる失禁(切迫性尿失禁)、頻尿といった症状が現れるのが特徴です。御本人の意志とは関係なく、膀胱の筋肉が収縮することで起きるようになります。
主な原因
発症の原因としては、脳血管障害や脊髄損傷など神経系の病気によって、脳からの命令がうまく伝わらないことで起こる神経因性膀胱などによるもののほか、非神経因性として加齢や精神的ストレス、女性であれば閉経による女性ホルモン(エストロゲン)の減少や骨盤臓器脱による膀胱の機能的変化、男性であれば前立腺肥大症などによって、膀胱の尿量を感知するセンサーが過敏になるといったことで発症することもあります。
治療について
治療に関しましては、原因となる疾患がある場合は、その治療が優先されます。また過活動膀胱の治療としては、膀胱の異常な収縮を抑える治療として、抗コリン薬やβ3作動薬による薬物療法が用いられます。また行動療法も組み合わせることで、より治療を効果的にしていきます。具体的には、膀胱訓練(尿意があっても排尿を我慢し、膀胱の尿量を増やしていく)、生活習慣の改善(偏食・過食を改める、バランスがとれた食事、体重を減少させる、禁煙 など)、理学療法(骨盤底筋体操など)になります。
内服薬や行動療法でも効果が不十分な場合はボツリヌス毒素膀胱壁注入療法等を検討いたします。